文庫革を長く楽しむために
手にしたその日から文庫革とのお付き合いが始まります。
ここではお客様からよくいただく、文庫革に纏わるお問合せをご紹介。
文庫革を長く楽しむためのヒントを見つけ、末永くご愛用いただければ幸いです。


よくある質問
Q. お財布長持ちのポイントは?
A. 長くお使いいただくための、3つのポイントがあります。

<1>詰めすぎない
お財布は中身の入れ方によって、形が変わります。
特に詰めすぎや、部分的な物の偏りは、お財布の表面にダメージを与えたり、形にクセが付く原因になります。

中身を入れすぎてしまったお財布




動物の皮膚である革は、柔軟性、伸縮性のある材料です。
革靴が足に馴染んでいくのと同様に、お財布に物を沢山詰め込むと変形していきます。
また、折れ曲がる部分は革が延び、皺がよりやすくなります。
こうした革の特性に由来する形状の変化は、修理ができない箇所ですので、ご理解のうえご使用ください。

詰めすぎの例




<2>持ち歩く時にはバッグに入れる
どうしても、よく手が触れる部分や握りグセのあるところから錆びや彩色が取れてしまい、ダメージが目立ってくるものです。
特に握って持ち歩くクセがあると文庫革の特徴である型押しの凸凹感も損なわれやすくなります。
時には、いつもの使い方・開け方を変えてみたり、持ち歩く時は手に持たず、バッグに入れて携帯することをおすすめします。



<3>たまにお休みを
毎日同じ靴を履いていると、傷んでしまうのと同じ。
ついつい酷使しがちなお財布ですが、半年に一度くらい交換しながら使っていくと、長持ちするのでおすすめです。



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Q. お手入れの方法を教えてください
A. 日常のご使用で手のひらの油分が回り、お手入れとなります。



文庫革は一般的な革のお財布と違い、表面に彩色と錆入れを施しております。
そのため、お手入れに関して注意していただきたい点が何点かございます。


<1>表面にブラシなどは使わない
ブラシを使うことにより、錆の真菰の粉が取れてきてしまったり、彩色の絵の具が削れてしまう可能性がございます。
汚れなどが付いた時には、乾いた柔らかい布で優しく撫でるようにして表面の埃を払うようにしてください。


<2>油分をつけすぎない
通常の革製品と異なり、表面に色落ちのないよう、また、多少は濡れても大丈夫なようにコーティングしてあります。
表面のカサつきがどうしても気になる場合は、ハンドクリームをよく塗った手で、表面を何度も撫でるように触ってください。


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Q. 小銭入れの内側が汚れてきました
A. 合成皮革を使用しているので、水拭きが可能です。



小銭の触れる部分は合成皮革を使用していますので、濡れ拭きできます。
しっかりと水を絞った清潔な布に、薄めた中性洗剤をつけて優しくふき取りをお願いいたします。


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Q. 長財布が歪んでしまいました
A. 物の入れすぎにより、歪みが出てしまいます。

ぐるっとファスナーの長財布の中央についた折れグセ




物の入れすぎは禁物です。
文庫革と内装の革との間に芯材も使用しており、それぞれの材料が一度変形すると、歪んだクセは取れなくなってしまいます。
クセ直しの修理はできません。
(基本的にはカードポケットは1ポケット1枚の想定で作っています。)


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Q. ポケットに入れていたら歪んでしまいました
A. ゆがみやクセが付いてしまうため、お尻のポケットに入れることはおすすめしません。



革についたクセや歪みは取れなくなります。
また、デニムなどの染料が色移りする危険もあるので、ポケットに入れる事はおすすめいたしません。

クセが付いてしまったパスカードホルダー




お尻のポケットに入れると、画像のように中に入れているものの形にクセが付いてしまうことがありますので、ご注意ください。


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Q. お財布の折れる部分にシワが出てきました
A. 使用している間に、革の折れ部分はどうしてもシワが出てきてしまいます。

束入れの折れの部分についたシワ




もともと、動物の体を覆っていた革をまっすぐに伸ばして、その革を無理に折って加工しているのが革小物です。
可動性の高いお財布の折れ部分などは、お使いいただくうちに人間の肘や膝のように革が伸びてシワシワしてきますが、これは革の特性としてご理解ください。


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Q. スナップがゆるくなってきました
A. 修理ができるかもしれませんので、ご相談ください。



修理ができるかもしれません。ネットショップの問い合わせ、もしくは店頭にて一度ご相談ください。


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Q. お財布の角が擦れてきてしまいました
A. 革の縁は一番傷みやすい部分です。



一番早くに傷んでくるのが、革小物の角の部分です。
日々の摩擦などで、どうしても革の表面が擦れてきてしまいますが、革を再生するような修理、白く色塗りするようなことはできません。


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Q. 文庫革の凹凸がなくなってしまいました
A. 長時間手で持たず、鞄に入れての持ち運びをおすすめします。



文庫革は型押しで付けた凹部分に、錆(さび)と呼ばれる真菰の粉を漆で留めて茶色いアウトラインを表現しています。
型押しの凹凸が無くなる程、物を詰めていたり握るクセがあると凹凸だけではなく錆も取れてしまう原因となります。
一度取れてしまった錆については、錆入れのやり直しができません。
詰めすぎ、握りグセには十分ご留意のうえお使いください。


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Q. 水に濡らしてしまいました
A. 万が一濡れてしまった場合は、乾いた布で水分を充分に拭き取ってください。



色落ちのないよう、多少濡れても大丈夫なようにコーティングしてありますが、万が一濡れてしまった場合は、乾いた布で水分を充分に拭き取ってください。
丸ごと水に落としてしまったような場合は、乾いた布で水気をよくふき取ったあと、風通しの良い日陰で、数日間乾燥させてください。 表面がカサカサしている場合は、ハンドクリームをよく塗った手で、表面を何度もなでるように触ってください。

通常の文庫革の表面




文庫革を洗濯機で洗ってしまうと、革が水分を吸収し、型押しが元に戻ってしまいます。
そのため、文庫革特有の表面の凹凸がなくなってしまいます。

洗濯してしまい型押しの凹凸がなくなった文庫革




一度戻ってしまった型押しは修復できませんので、誤ってお洗濯しないよう十分にお気を付けください。



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文庫革の材料と型押しの特性
細かな絵の具のヒビについて

アイテムの形によりますが、絵の具に細かなヒビ割れが見受けられることがあります。
特に濃い色で彩色を施した箇所などです。
これは革が折れる部分において、絵の具と革の伸縮性や弾力が異なる事に由来しますが、絵の具は革に密着しているためヒビから剥がれる事は、通常ありません。


牛革の部位、皮膚の伸び方向によっても伸縮性に差があるため、同じ柄、同じアイテムでも仕上がりに多少の差が生じる場合があります。また、全てのものに生じるものでもありません。
長くお使いいただくうちに、摩擦で色が掠れ落ちることがございます。
気になることがございましたら、彩色のお直しなど、アフターケアも承りますのでご相談ください。



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型押しのつなぎ目、重なり部分について

絵柄のメインとなる部分をアイテムの中心に型押しするため、表と裏の2回型押しを施す柄もあります。
その場合、アイテムの底面や折れ部分に型押しのつなぎ目が生じます。
一枚一枚型押しで製作しているため、このような仕上がりになりますことをご理解ください。


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